高血圧 学び | 医師監修 2019. 1. 22 日ごとに寒さが増していく冬、全身をポカポカ温め、血流を促す『入浴』は、健康のために良い習慣ですが……血圧が高い方にとってはちょっぴり注意が必要なことも。今回は高血圧の方の気になるお風呂事情について、「Dクリニック東京ウェルネス監修医師・知久正明先生」にお伺いしました。 高血圧の人は、入浴時の「ヒートショック」要注意 冬場になると、入浴時に心筋梗塞や脳卒中を発症するケースが増加します。これは暖房で温まった場所から、トイレやお風呂場など暖房のない寒い場所に移動することで、血管が急激に収縮し、血圧が上昇することが関与しています。 逆に、寒い脱衣所から急に温かなお風呂につかることで、収縮していた血管が拡張し、血圧が急低下して脳貧血を起こすケースもあります。 これら『ヒートショック』と呼ばれる現象は、おもに高齢者に多くみられます。 若い方は極端に心配しなくても大丈夫です。一方で、急激な温度差が心臓や血管に負担になるというのは事実であり、高血圧の方にとっては注意が必要な場合もあります。 入浴習慣自体は、血圧の安定&健康維持に有効! 入浴の習慣自体は、血圧の安定や免疫力向上など、健康維持のために大変有効です。 「入浴すると血管が拡張し、全身に血がめぐりやすくなるため、血圧は下がります。また、副交感神経が優位になることで、緊張がほぐれ、同じく血圧を下げてくれます。 また、入浴後は体の熱が放出されることで深部体温が下がり、深い睡眠へと導かれやすくなります。のちほど詳しく述べますが、睡眠は自律神経やホルモンバランスと密接に関係しており、長い目で見ると血圧の安定にも役立つと言えるでしょう」(知久先生) このように複合的な理由によって、入浴は健康維持に有益な習慣です。入浴習慣のある民族は長生きといわれています。 高血圧の人が、入浴で注意すべきこととは? とはいえ、入浴、特に冬場の入浴は急激な温度変化を体感しやすい面もあります。高血圧の方は入浴の際に、心臓や血管に負担をかけない工夫を取り入れましょう。 1. 急激な温度変化を避ける 急激な温度の変化は、心臓や血管に負担を与え、血圧の急変につながります。高血圧の方は、入浴する前に脱衣場を暖房器具で温めておいたり、浴室内はバスタブにお湯を張ったり、温かなシャワーを短時間流すなどして、浴室内外の温度差を調整しましょう。 2.
お風呂でのぼせるのも長時間熱いお風呂につかっていたりすることで、熱をうまくい逃がせず体にこもってしまう原因も一つあります。 また、大量の発汗も促されてしまいます。 お風呂でのぼせることも、一種の熱中症と言えるくらい近いものがあるのではないでしょうか。 風呂でのぼせないための適温は?